第19回 宝塚映画祭
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上映作品
宝塚映画80周年 >>
「太夫(こったい)さんより 女体は哀しく」「新・狐と狸」「海の若大将」「河内フーテン族」「悪の紋章」
轟夕起子生誕101年 >>
「飢える魂」「續飢える魂」
優秀映画鑑賞推進事業~黒澤明没後20年~>>
「酔いどれ天使」 「天国と地獄」 「羅生門(デジタル復元版)」 「わが青春に悔なし」
 

宝塚映画80周年

すべて35mmフィルム上映

太夫(こったい)さんより 女体は哀しく

113分(カラー)/宝塚映画/1957年
監督 : 稲垣 浩
原作 : 北條 秀司
脚本 : 八住 利雄
出演 : 乙羽 信子、淡路 恵子、田中 絹代、小沢 栄太郎、浪花 千栄子、田中 春男、平田 昭彦、千石 規子、扇 千景、環 三千世

北条秀司の戯曲「太夫さん」を原作に、戦後、京都の島原遊郭で
織りなす太夫(遊女)の群像劇を描く。三百年続く宝永楼。女主人
おえい(田中絹代)のもとには、様々な個性が寄り添う。男に翻弄される玉袖(乙羽信子)、郭に売られる喜美子(淡路恵子)、酒飲みの深雪(扇千景)。遊郭の喧噪と太夫の哀しき人生が交差する。

新・狐と狸

98分(カラー)/宝塚映画/1962年
監督 : 松林 宗恵
脚本 : 菊島 隆三
出演 : 森繁 久彌、フランキー 堺、加東 大介、伴 淳三郎、池内 淳子、浜 美枝、高島 忠夫、山茶花 究、三木 のり平、有島 一郎

四国を舞台に、舌先三寸で偽物を売りさばく行商人たちのバイタリティ溢れる生き様を描くコメディ。森繁久彌の「社長シリーズ」を数多く担当した松林宗恵が監督。本作が公開された年に設立された「日本喜劇人協会」結成記念の作品で、東西の喜劇人たちの個性あふれる演技が堪能できる。

シネトーク 髙野昭二氏 11/18(日)

海の若大将

99分(カラー)/宝塚映画/1965年
監督 : 古澤 憲吾
脚本 : 田波 靖男
出演 : 加山 雄三、星 由里子、田中 邦衛、藤山 陽子、江原 達怡、重山 規子、有島 一郎、藤原 釜足、飯田 蝶子、寺内 タケシとブルージーンズ

加山雄三のクルーザー「光進丸」が登場するシリーズ第5作。京南大水泳部のエース、若大将は、大海原の航海へ。遭難後、島での生活を経て、再び大学に舞い戻る。荒唐無稽な物語に加え、若大将と美女たちのロマンスが見どころ。関学や関大、扇町プールや六甲山ホテルなど、阪神間の風景が充実しているのも見逃せない。

シネトーク 辻井康一氏 11/23(金・祝)

河内フーテン族

85分(カラー)/宝塚映画/1968年
監督 : 千葉 泰樹
原作 : 今 東光
脚本 : 椎名 龍治、新井 一
出演 : フランキー 堺、ハナ 肇、野川 由美子、酒井 和歌子、園 佳也子、京 唄子、鳳 啓助、桑原 和男、下田 武応、石倉 英彦

久しぶりにマカオから故郷の河内へ帰った元ヤクザ・風吉(フランキー堺)が巻き起こす人情喜劇で、監督は戦前から活躍するベテラン千葉泰樹。住職役のハナ肇や、二役を演じる野川由美子ら脇役陣の演技も見どころ。宝塚映画は本作完成後に劇映画製作を休止し、主軸をテレビ映画やPR映画に移した。その節目となる作品。

シネトーク 下田武応氏 11/17(土)

悪の紋章

131分(白黒)/宝塚映画/1964年
監督 : 堀川 弘通
原作/脚本 : 橋本 忍
出演 : 山崎 努、新珠 三千代、岸田 今日子、佐田 啓二、北 あけみ、大坂 志郎、志村 喬、戸浦 六宏、佐藤 慶、柳 永二郎

悪徳警官の汚名を着せられ服役した刑事、菊村(山崎努)。出所後、名を変えて、彼が陥った罠の真相を探る。兵庫県市川町出身の橋本忍の小説を映画化。山崎の聞き込みに、関係者が素直に応じているのに時代を感じる。今なら「プライバシーの侵害」と非難を受けそう。岸田今日子の演技は圧巻。黛敏郎の音楽も効果的。

シネトーク 田邉 皓一氏 11/23(金・祝)

轟夕起子生誕101年

飢える魂

79分(白黒)/日活/1956年
デジタル上映
監督 : 川島 雄三
原作 : 丹羽 文雄
脚本 : 柳沢 類寿、川島 雄三
出演 : 南田 洋子、轟 夕起子、三橋 達也、大坂 志郎、小杉 勇、小林 旭

初老で横暴な夫との結婚生活に疲れた若き美人妻・南田洋子は、青年実業家の三橋達也から熱い求愛を迫られていた。一方、亡き夫の親友で既婚者の大坂志郎から言い寄られる美貌の中年女性・轟夕起子は、思春期の息子(小林旭、デビュー作)と娘の反発に苦しむ。二人の女性の飢える魂は、一線を越えて不倫へ突き進むのか!?

續飢える魂

97分(白黒)/日活/1956年
デジタル上映
監督 : 川島 雄三
原作 : 丹羽 文雄
脚本 : 柳沢 類寿、川島 雄三
出演 : 南田 洋子、轟 夕起子、三橋 達也、大坂 志郎、小杉 勇、小林 旭

今年生誕100年を迎える名監督・川島雄三が、文壇の大御所・丹羽文雄の人気小説を映画化した、前後編のメロドラマ大作。当時と現代の不倫の取り上げかたの違いに注目! 再上映の少ないレア映画であり、那智勝浦、賢島、名古屋テレビ塔、大原美術館などのロケも楽しめる観光映画でもある。昭和30年代のムード満点の隠れた傑作。

シネトーク 山口博哉氏 11/17(土)

優秀映画鑑賞推進事業~黒澤明後20年~没

主催:宝塚映画祭実行委員会/文化庁/国立映画アーカイブ
特別協賛:木下グループ
協力:株式会社オーエムシー
木下グループ

すべて35mmフィルム上映

酔いどれ天使

98分(白黒)/東宝/1948年
監督・脚本:黒澤 明
脚本植:草 圭之助
出演:志村 喬、三船 敏郎、山本 礼三郎、木暮 実千代、中北 千枝子、千石 規子、笠置 シズ子、殿山 泰司、久我 美子、飯田 蝶子

戦時中、『姿三四郎』(1943)で鮮烈なデビューを果たした黒澤明監督は、戦後も『わが青春に悔いなし』(1946)や『素晴らしき日曜日』(1947)の成功で、日本映画の若きエース的存在となった。「キネマ旬報」ベストワンに輝いた黒澤の7作目にあたるこの作品は、闇市のヤクザと飲んだくれの貧乏医者との、不思議な友情と葛藤を描いたもので、強烈な個性を持つ若者とその観察者の設定や荒々しい映像表現の顕著さという点で、以後の黒澤映画のスタイルを決定づけたものと言える。前年に、谷口千吉監督の『銀嶺の果て』(黒澤脚本)でデビューしたばかりの三船敏郎が黒澤に初めて起用され、野生味あふれるその個性をいかんなく発揮し、以後の黒澤作品に欠かせぬ存在となったことは周知の通り。また、映像と音との対位法的表現(雑踏の中の<カッコー・ワルツ>の使用やギター曲<人殺しの歌>など)を試みた黒澤にとって、この作品から参加した音楽家早坂文雄との出会いも幸運であった。

天国と地獄

143分(白黒)/東宝=黒澤プロ/1963年
監督・脚本:黒澤 明
原作:エド・マクベイン
脚本:小国 英雄、菊島 隆三、久板 栄二郎
出演:三船 敏郎、仲代 達矢、香川 京子、三橋 達也、木村 功、石山 健二郎
志村 喬、佐田 豊、山崎 努、菅井 きん

この作品は、アメリカの推理作家エド・マクベインの「キングの身代金」を映画化したものであるが、連れ去る子供を取り違えたとしても、その犯人の脅迫は成立するとのヒントを借りただけで、ほとんどのトリックは黒澤をはじめとする脚本家たちのアイディアである。この映画のクライマックスは二つある。一つは特急こだまのトイレの窓から身代金の3000万円を投げ出す場面。これは実際運行される車両を借り切って、数台のカメラで同時間に撮影された。もう一つは、極刑を課すために犯人を泳がせ、新たな殺人現場におびき出す場面である。『用心棒』(1961)や『椿三十郎』(1962)で、これまでの時代劇にはなかった迫力を演出した黒澤であったが、この作品でも、サスペンス映画に斬新な演出を試みている。<天国>に住む富豪と対照的に<地獄>に住む青年医師を演じた山崎努は、
文学座の新人俳優であったが、この作品で一躍注目を浴びた。「キネマ旬報」ベストテン第2位。

羅生門(デジタル復元版)

88分(白黒)/大映(京都)/1950年
監督・脚本:黒澤 明
原作:芥川 龍之介
脚本:橋本 忍
出演:三船 敏郎、京 マチ子、志村 喬、森 雅之、千秋 実、上田 吉二郎、本間 文子、加東 大介

黒澤は本作について次のように述懐している。「この作品の根本と
いえば、要するに、無声映画に帰ってみようと思ったことですね。
……トーキーになって失われた映画の美しさをもう一度見つけようという気持ちだった。……映画ももう一度単純化しなければならないのじゃないか、というのがあの試みだった」。森の中でおきた殺人事件をめぐって、8人だけの登場人物で演じられる不条理劇。芥川龍之介の「藪の中」を、脚本家を志望していた橋本忍が脚色、黒澤の助言で同じ作家の「羅生門」が加えられた。絶対真理の不在と人間不信の主題は戦後間もない欧米で評価され、翌年のヴェネチア国際映画祭でグランプリ、そして米・アカデミー最優秀外国語映画賞を受賞した。1949年に湯川秀樹博士がノーベル賞を受賞し、敗戦後の日本に朗報をもたらしたが、黒澤のそれも日本映画の芸術水準の高さを海外に知らしめただけではなく、わが国の国際理解に大きく貢献した。「キネマ旬報」ベストテン第5位。

わが青春に悔なし

110分(白黒)/東宝/1946年
監督:黒澤 明
脚本:久板 栄二郎
出演:原 節子、藤田 進、大河内 伝次郎、杉村 春子、三好 栄子、河野 秋武、高堂 国典、志村 喬、深見 泰三、清水 将夫

黒澤明監督の戦後第一作。モデルとなったのは京都大学の滝川事件(1933年)とゾルゲ事件(1941年)だが、後年の男性中心の黒澤作品に比べるとやや異質な感じを与えるのは、女性が主人公である点であろう。ファシズムの圧力に屈し野に下った大学教授の娘で、戦時下のさまざまな苦境にも屈することなく生きていく堂々たるヒロインとして、原節子が後の小津安二郎作品とは違った魅力を発揮している。脚本の久板栄二郎はプロレタリア演劇の中心的存在として活躍した劇作家で、この年木下恵介監督も、久板の脚本により『大曾根家の朝』という佳作を発表しているが、彼と組んだところに当時の黒澤監督の姿勢が表れている。ともあれ、戦後の「新しい時代」の高揚の中で制作されたことが良くわかる作品である。本作は、1946年3月から始まった東宝争議の第二次争議中に、日活系の劇場を使って封切られた。

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